問 家族構成を教えてください。
答 夫が福井県出身の39歳で会社経営をしています。私は埼玉県出身で38歳の在宅勤務です。子供は小5の娘が一人、小2と5歳の息子が二人です。
問 移住してきた時期はいつですか?
答 2011年10月末に移住しました。
問 移住を考え始めたのはいつ頃ですか?
答 原発事故があって、いろいろ調べた2011年4月頃です。
問 具体的に移住のための準備をした期間はどれくらいかかりましたか?
答 半年ほどです。
問 どのような準備をしましたか?
答 夫は退職と起業の準備、引っ越しにあたっては、住宅探しに2度甲府に来ました。
問 甲府以外に移住を検討した場所はありますか?
答 はい。
問 それはどこですか?
答 長野県松本市です。当時の市長さんがチェルノブイリ事故のときに、ボランティアで甲状腺ガンの手術を行う医療支援を現地でされていて、今回の事故に対して松本市の対応がとてもよかったので。
問 甲府に決定した理由はなんですか?
答 夫が事務所を都内に開いたので、都内に通える範囲で選びました。
問 甲府に移住をしようと思ったきっかけを教えてください。
答 2011年3月の原発事故です。都内に通える範囲で、できるだけ放射能汚染の少ない土地を探して、甲府にしました。
問 移住をする前の生活と、移住をしたあとの生活で決定的に変わったことはなんですか?
答 もともと住んでいた場所の土地の汚染が心配だったので、引っ越してきて、ストレスがなくなりました。
問 移住をする前に不安だったことはなんですか?
答 放射能汚染のことと、生活にかかるお金のことです。
問 そしてそれはどのように解消されましたか?
答 農作業を始めて、お米や野菜を育てることで、安全な食材が少しでも手に入って、安心しました。実際は自給自足にはほど遠かったのですが、いざとなったら食べられるものがあると思うと、お金の問題についても、少し不安は解消されました。
問 その不安は誰に相談しましたか?
答 放射能の不安のことは、夫に相談し、家族で移住しようということになり安心しました。
生活費の不安については、夫が起業したばかりなので最初は貯金の切り崩しで生活している中、保育園の料金が2人分かかって、夫の、仕事を辞める前の年収から判断されてかなり高くて負担が大きかったので、市役所に相談しにいきましたが、自分の都合でやめたのだからと、とりあってもらえず、最初の1年半はその額を払うのが大変でした。(移住者の子どもの保育園代について考慮したら、子連れの若い移住者にとっては助かることと思います)
問 移住前にどのような情報が欲しかったですか?
答 どのあたりの場所が、子育てしやすい環境なのか、とか、買い物などはどういうところでできるのか、子どもを連れていくのにいい公園などがどこにあるかなどの情報があったらよかったなと思います。
問 住む場所はどのようにして決めましたか?
答 駅前の不動産屋に適当に入って、そこの方の話などを聞いて(北側が文教地区で落ち着いている、など)、いくつかのエリアの物件をみせてもらって、地域の雰囲気を見て決めました。
問 生活情報はどうやって収集しましたか?
答 娘の小学校の友達のママと立ち話などして、聞いたりしました。
問 移住をする前の甲府のイメージと移住したあとの甲府の実像に違いはありましたか?
答 移住を決めて家探しにくる前は、旅行などでも1度も山梨にきたことがなくて、甲府といえば武田信玄、くらいしか思いつかず、あまり何もイメージをもっていなかったので、「ちがう!」などと強く感じたことはないです。
問 どのようにして甲府の生活になれましたか?友達の作り方など含めて教えてください。
答 子どもを通して近所の人とは話ができるようになりました。また、引っ越してきて半年で組長をやったので、何もわからず大変でしたが、結果的には早い時期に地域に知り合いができてとてもよかったと思います。それから、もともと放射能汚染を心配しての移住だったので、「放射能から命をまもる山梨ネットワーク~いのち・むすびば」という団体を通して、同じような考え方の友だちがたくさんでき、活動の幅も広がってよかったなと思っています。
問 甲府に移住して良かったことがいくつかあれば教えてください。
答 自然が近くて、山にも川にもすぐに遊びに行ける/県庁所在地なので、生活全般の手続きがしやすく、また県立図書館やら県立科学館などが近くて便利
問 移住後の現在、移住者同士の交流などありますか?
答 前述の団体で、移住者同士がつながれるよう、茶話会を毎月開催しています。
問 これから移住をしようと思っていらっしゃる方にアドバイスをお願いします
答 どこに住んでも、住めば都だろうと思います。まずは動いてみたらいいんじゃないかなと思います。