甲府にはすごい動物園があった

そういえば産後1ヶ月で里帰りしていた大分から甲府に戻ってきて少し落ち着いた頃のこと。上の子が太い輪ゴムを頭からかぶって服を着るような仕草で下ろそうと悪戦苦闘していました。

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何しているんだろう?と眺めていたら、腰まで輪ゴムをずりずりおろして、そこにクマのぬいぐるみを挟んで、ニヤニヤしながら「あっこ」と歩き回っていました。

 

私が赤ちゃんを抱っこするのを真似していたみたいです。

よく見てるものですねぇ。

 

行動だけでなく言葉もすぐに真似るので、ネガティヴな発言や悪口、汚い言葉使いをしないようにということだけは日々気をつけています。口が悪いとよく注意される私ですが、こどものおかげで美しい心を保っていられます。

 

こっちが何か教えなくてもどんどん自分で学びとって行為に還元していく、ギリギリまで手を貸さずにじーっと見ていると、もがきながらも自分でできたりするんですよね。なので、なるべく手は貸さない主義です。

 

こうやってこどもの成長につれて行動が変わるとともに、こどもの遊び方も変わってきて、日々の活動も今までの私メインの行動から息子メインの遊びへと変化してきました。0歳児の間は、私が行きたいところに連れ回すことがメインでしたが、1歳を過ぎて歩き始めると遊びたい盛りの好奇心の塊、そうも行かず。彼の意思を尊重するようにしないとエネルギーが有り余ってストレスが溜まってしまいますから。それはエネルギーの有り余る私にもよーくわかる、うんうん出かけて動き回らないと爆発しちゃうよね。

 

というわけで、こちらに戻って来てからというもの、上の子のために公園など動き回れる場所を求めて日々活動。

 

甲府市遊亀公園附属動物園に行ってきました。

 

この動物園は大正8年開設、平成31年には開園100周年を迎える長い長い歴史を歩んできた動物園。日本で4番目に古い動物園だそうです。

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駐車場から動物園に向かうと奥に見える壁画は、甲府にあるアーティスト・イン・レジデンスであるArtist in Residence YamanashiことAIRY(エアリー)に滞在していたアーティストFranky Bakkerさんが2014年に制作したもの。(詳細はこちら▷まちと人をつなぐかたち「甲府市遊亀公園附属動物園ウォール・ペイント&ピクニック」プロジェクト2014

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入ってすぐにある看板。ベンチに座って記念撮影ができるようになっていて、この手作り感満載の心遣いに出だしから心を掴まれる。

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少し進むと広場があり、園内MAPと今度は顔ハメ?看板。顔ハメにしてはでかい!

なんだろう、じわじわどんどん心を掴まれる。

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拡大。この看板を覗くと広場の奥には象がいて、「わ〜!象だ!」とテンションが上がる。看板の向こうの象に向かって思わず駆け出したくなる。小さいけれどちゃんとお客さんが楽しめるような仕組みと動線。

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こんなに至近距離で象を見たのは初めてかもしれない、こんなに近かったっけ?と興奮。食べ物にしか興味のない息子も、さすがに「ゾウだ〜!」ときづいてくれました。

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園内のあちらこちらにペインティングがあり、殺風景になりそうな園内が明るく和やかな雰囲気に。歴史ある動物園なだけあって施設は古びているけれど、園内のあちらこちらにこういうペインティングや看板があって、動物園の人たちがここを愛して大切にしていることがひしひしと伝わってきます。本当にちょっとした工夫で空間って蘇るものですね。

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うさぎ小屋の上には富士山らしきオブジェ。

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奥に見える壁画は、先ほどの壁画を制作したアーティストFranky Bakkerが地元のこども達と一緒にペイントしたもの。(詳細はこちら▷まちと人をつなぐかたち「甲府市遊亀公園附属動物園ウォール・ペイント&ピクニック」プロジェクト2014

 

ピカピカ最新の施設よりもずっとずっと楽しい!

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動物との距離もとてつもなく近い。この距離感がこの動物園を象徴しているような気がします。

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やや進んで少し疲れたなーと思うところで「無料休憩所」が現れる。憎い!

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見てください。このなんとも言えないオープンテラス!

ピカーンと晴れた日にここでおでんつまみにビールを飲んだら最高ですね。

どちらも隣の売店で売っています。

わかってますね。

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もうどんどん心を鷲掴みにされてしまう、この動物園。

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ところどころにある動物顔ハメ看板もたまらない。

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ゴミ箱だって抜かりなく動物に!いちいち可愛い!

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ライオンの檻の前には実際のライオンの毛のついたシュールなオブジェが。ライオンの毛の硬さを実際に触って体感できる。

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顔ハメ看板を探すだけでも楽しい動物園。

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そして動物園の突き当たりには遊園地が!入園料無料。

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中はすごいことに。

 

まさか稼働しているとは思わないようなレトロな遊具が所狭しとひしめき合う不思議な空間に。ぜひご自分の目で確かめに行ってください。

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メリーゴーランドの中心には造花が。

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この色彩がもう現代のものではないことを証明している。

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なかには10円のゲーム機とか1956年製の遊具も。

なぜだかわからないけれど興奮してしまいます。

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壊れたと思われる遊具を園内のあちこちにディスプレイすることで再利用。

ちょっとシュールだけど、たまらない。

 

こんなに面白い要素たっぷり、「ふれあいコーナー」ではモルモットを触らせてもらえたりのこの動物園、なんと入園料は大人320円。我が家のこどもは無料。小・中学生は30円だそう。

 

320円でこんなに楽しめるなんて、と久しぶりに興奮した一日でした。

もちろん息子も楽しかったようで、帰り際には帰りたくないと珍しく泣き叫んでいました。

 

平日にもかかわらず、普段は街を歩いていても見かけないベビーカー連れの親子やママ友同士もたくさんいて、そうか、みんなここに来てるのか〜!と納得。

 

そうそう、この日はとにかく早く出かけようとお昼ご飯を調達してから出かけました。たまにはこんな日も、ね。

 

向かった先は我が家の最寄りのパン屋さん、ずんちゃんパン。

朝7時から開店しているので早朝に出かける時など重宝しています。

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そして、おかずは動物園の近くの「孫六」さんへ。

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玉子焼だけ買うつもりが他のものも美味しそうで太巻きやお稲荷さんも買ってしまいました。

 

「写真を撮ってもいいですか?」と伺ったところ、

「本当は玉子焼焼いてるとこ撮ってほしいんだけどな〜。」と笑いながら承諾してくださいました。ありがとうございます。

 

お店のご主人に「すごいですね!この玉子焼器!今でも使っているんですよね?まだ売っているものなんですか?」と伺ったところ、「今でもこれを使って焼いてるんだよ。焼いてるところを見せれればいいんだけどね。でもこれね、もう生産していない型だからね。これが壊れたらもう終わりだよ。」とのこと。だましだまし50年以上使い続けているんだそうです。

住宅街の間の路地でひっそりと営んでいる孫六さん。

だしのしっかり効いた玉子焼は一杯飲みながら食べたくなるような味で、今度買うときは焼酎か日本酒をぐいっとやりながら食べよう。

 

いやいや、動物園で昼間っからビールのお供にするのもまた良し、ですね。

 

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甲府市遊亀公園附属動物園

山梨県甲府市太田町10番1号

 

Artist in Residence Yamanashi

山梨県甲府市丸の内2丁目37-2

 

ずんちゃんパン

山梨県甲府市上石田2-9-7

「なつかしくておいしすぎる惣菜パン満載『ずんちゃんパン』」

(甲府でしかできない50のこと)

 

孫六

山梨県甲府市太田町13-6