紙芝居と動物園と大神さん
甲府に住んでいると、どこからどこに向かっていても山が見える。
天候や季節によって山の表情が変わるから、いつ見ても面白い。
昔は山の写真を見ても、こんなの撮って何が楽しいんだろうと思っていたけれど、なるほど一度虜になると毎日でも撮りたくなる気持ちが良くわかるくらい、山というものは魅力的な生き物だ。
甲府は盆地なので、山から見た景色は面白い。
普段自分が住んでいる街が、山に包まれている。
そしていつも天から降ってきたかのような光が街にはさしている。
神々しくて、いろんなこまごましたことがくだらなく思えてくるくらい。
先日は年に一度の楽しみ、節分のお祭り「大神さん」があった。
お祭りは夕方からなので、お祭りが始まるまで友達と動物園に行ってきた。
祭りの会場となる甲府市中心街から動物園までは3歳児でも歩ける距離。
だけど、今回はバスで移動。
甲府の動物園は何度行っても滋味深くて面白い。
日本で4番目に古い動物園は来年2020年で100周年を迎える。
資金難や動物の環境面から問題もあるけれど、変わらずにこのままの雰囲気であってほしい。
最近はテカテカのオシャレな場所が増えすぎて辟易としてしまうけれど、本当にホッとする数少ない場所。
動物園に入る手前の公園には紙芝居師のおっちゃんがいる。
前にも何度か見かけたけれど、人数が集まらないと紙芝居を読んでくれない。
今回ようやく紙芝居を読んでる姿を拝見できた。
紙芝居は先代から引き継いだ古いもの。
内容は、なんと即興。
絵に合わせて、時事ネタや流行のお笑いネタを織り交ぜながら怒涛に展開する。
紙芝居が終わると水あめタイム。
水あめタイムが終わるとまた紙芝居が始まり、子供達が水あめを舐めながら紙芝居のおじさんの話に聞き入る姿が見れる。
紙芝居の洗礼を浴びて、いざ動物園へ。
ゾウのテルのダンスを拝んだら、子供達はどんどん駆けていく。
奥の遊園地が目的だからだ。
奥の遊園地で1人2つまでお金を入れて乗る乗り物を楽しんだら、エネルギーがなくならないうちに祭りへ移動。
いつも人通りの少ない中心街もこの日は本当にすごい人、人、人。
こんな角をつけた子供や大人が街にたくさん。
そこら中で子供が抱っこされて号泣する声、それを楽しむ大人達の笑い声が聞こえてきて、なんとも幸せな夜でした。
次男も例に漏れず大号泣。
長男は鬼を見つけるや逃げて隠れて、遠くから「絶対にやだ!」と泣き叫んでいた。
でも、この鬼に抱っこされるど強くて丈夫な子になるそうです。
豆をまくんじゃなくて、鬼に抱っこされるお祭り。
変わってるよなぁ。面白いなぁ。
いつか子供達が大人になって別の地域の節分のお祭りを見たら、物足りなくなるんだろうなぁ。
また来年を楽しみに。