甲府の働き方・独身フリーランス編
みなさまご無沙汰しております。
夏山シーズンという、年に一度の高山登ってテント張りまくってワッショイ月間にうつつを抜かし、すっかりコラムの更新をサボってしまっておりました。気がつけば秋。甲府のクソ暑い…おっと失礼、非常に大変尋常じゃなく暑い夏もようやく終わり、年間で貴重な過ごしやすい時期を迎えています。
ここのところ激太りしたため、ランニングを始めました。
うちの近くには荒川という甲府市随一のぶっとい川が流れており、家から徒歩数分で河川敷に出ることができます。河川敷は広々と整備されていて、犬の散歩やウォーキングをしている方がちらほらと、のどかでいい雰囲気。ランニングにはうってつけです。
横浜にいた頃もランニングはしていたのですが、昨年移住してきてからはなんだかんだサポっていて、甲府で走るのはこれが初めて。それがまあ、なんとも気持ちいいのです。
横浜では夜な夜な住宅街を走っていました。今は、朝の河川敷です。それだけでも爽快なのに、天気が良ければ視界にはエブリタイム富士山 or 南アルプス!アーンドときどき茅ヶ岳。
気軽な朝のランニングですら、こんなに見事な富士山を拝みながら走れてしまうなんて…!そんでもってUターンしたら甲斐駒ケ岳と鳳凰三山と農鳥岳ですよ。もー、なにこれ贅沢!と心の中でニヤつきながら、今日も走ってます。
そんなわけで、今回は山ネタからちょっと離れて、独身一人暮らしフリーランスな私の日常について、触れてみようと思います。
まず、仕事ですが、メインはCGを中心とした映像制作です。これは自宅PCで全て行っています。
私の場合は大半の案件を東京の友人会社から受けているので、打ち合わせなどはSkypeや電話で済ませることがほとんどです。納品もネット経由でデータを送って完了。稀に東京まで打ち合わせに出向くこともありますが、ほぼほぼ自宅で全て完了できています。横浜にいた頃からこんなスタイルなのですが、親しい取引先ならではの融通の効き方だと思うので、大変ありがたいことです。
全てのやりとりにネット必須なので、ネット回線は命綱。特に映像はデータのやりとりが膨大なサイズになるため、速い回線が必要不可欠です。そこで引っ越しの際フレッツ光のギガプランを契約し、光ファイバーの工事をしてもらいました。
東京近郊ではマンションに既に光回線が引かれていたり、通信会社もよりどりみどりだったりしますが、山梨ではまだまだ普及していません。我が家も今まで使っていたauひかりなどは対応外で、フレッツ光一択でした。それでも全く未対応だったら移住できていないレベルの話なので、心底助かりました。
通信関連の話でもうひとつ付け加えると、山梨はケーブルTVが主流です。というか、ケーブルTVと契約しないと大半の民放が観れないらしい…。山に囲まれて、電波が届かないのが理由だとかなんとか。
私のように賃貸マンションであれば、家賃にケーブルTVの料金が含まれているため、特に気にすることなく今までのような感覚でTVを観ることができます。が、持ち家の場合は、契約して工事して、月々数千円の料金を支払う必要があります。TVを観るためだけに、毎月数千円払う。ちょっと衝撃です。もちろんNHKやBS料金は別なんですよ…。
これを理由に、ケーブルTVに契約せずTVなしの生活を選択した知人もいるぐらいで、初めて知ったときはかなり驚きました。
仕事の話に戻して、私はもうひとつ、東京で週一で高校の講師をしています。
週一と言っても高校だと春夏冬休みに加えてテスト休みなど、休みも多いので、年間を通して25日前後ほどでしょうか。
甲府~東京間は比較的気軽に通える距離とはいえ、頻繁に行き来するとなると交通費もバカになりません。ありがたいことに交通費は支給されているのですが、特急券代は出ないので、上手いやりくりが必要となります。
まず、東京で他の用事があるときはなるべくまとめて済ませるようにして、何日か滞在するときは実家に泊まっています。東京近郊に実家がある特権ですね。実家が引っ越してしまったら…困るとしか言いようがありません。
その場合車で行くのですが、うちからの本来の最寄りICは甲府昭和か双葉です。しかし高速代をケチって勝沼までは下道で行きます。これは甲府市民にとっては結構常識らしいです。中央道って、甲府盆地を大きくU字型に迂回するので、東京方面に行く場合ちょっと遠回りなんですよね。
ここで活躍するのが国道20号という、4車線道路です。東京に近付くと甲州街道と呼ばれるアレです。都民は甲州街道と呼びますが、山梨で甲州街道と呼んでいるのを聞いたことがありません。
この20号、信号もあるし至って普通の一般道なんですが、みんなかっ飛ばすため、国母周辺の渋滞エリア以外は高速並みにスイスイで移動することができます。初めて乗ったときは結構怖かったですが、すぐ慣れました。山梨県の主要なバイパスの筆頭です。
ちなみに山梨県民は総じて運転がかっ飛ばし気味で、極細の道を躊躇なく走る姿に最初恐れおののきましたが、すぐ慣れました。
日帰りで東京に行く際は、電車とバスを組み合わせています。
行きは時間に正確な電車で。特急かいじで甲府から新宿まで、1時間40分ほどです。特急電車は他にあずさやスーパーあずさもあり、スーパーあずさだとかいじより10分ほど速いです。
が、山梨始発のかいじに比べ、長野発のあずさは混んでいるうえ、車両もかいじより狭くてボロ…古びた印象。更に大問題なのが、振り子式とかいう特殊なつくりのせいで、もの凄く乗り物酔いすること。生まれて初めて電車で酔ったのは、忘れもしないスーパーあずさでした。どうもありがとうございました、二度と乗りません。(トラウマです)
新宿まで特急を使うと、通常なら4,000円前後かかります。しかしこれを、回数券や他のどの割引より安く乗る方法があります。とか書くと怪しいサイトみたいですが、私がいつも利用しているのはJR東日本のサイト「えきねっと」から購入できる「トクだ値」という切符です。
■えきねっとトクだ値|えきねっと(JR東日本)
えきねっとの無料会員に登録して、ネットから予約することで最大35%引きで指定席特急券を買うことができます。時期によって変動しますが甲府~新宿で2,500円前後で、通常より1,500円ほどお安くなるため、かなりお得です。
デメリットは、席数が決まっているので早めに予約する必要があるのと、キャンセルに310円かかるところです。
帰りは時間に余裕があるので、高速バスを使って節約しています。
甲府~新宿で2時間10分ほど。電車よりは時間がかかり、車内も狭いので疲れますが、そのぶんお値段もお手頃。平日限定の2枚つづり回数券「トクワリきっぷ」というのを使えば、平日のみとはいえ片道1,500円です。これは安い。バスも30分に1本ペースで出ており、使い勝手が良いです。
■トクワリきっぷ – 山梨交通
私の場合は、バスもネットで予約しています。使っているのはハイウェイバスドットコムというサイトで、ここに登録すると発車30分前までは自由に予約や変更、キャンセルができ便利です。
トクワリきっぷを使う場合は予約だけサイト上で済ませ、乗り場に行ってからトクワリきっぷを買うなり提示するなりして乗車の受付をする流れになります。
バスでスマホを見たり読書すると酔ってしまう体質なので、2時間以上寝てるしかないのは結構苦痛なのですが、それを差し引いてもこのお値段は魅力的です。バスタイムをできる限り快適にしたくて、首にネックピローが仕込まれたパーカーを買ってしまいました…節約してる意味ないじゃん…。
家から甲府駅までは車です。東京に行くときは、駅のそばの24時間700円の駐車場にいつも停めています。駐車場は、南口より北口のほうが相場が安いよう。
甲府から東京はアクセスもよく、日帰りでも行き来できますが、とはいえ東京近郊に住んでいた頃に比べたら当たり前ですが時間も交通費もかかります。特に私は仕事で定期的に通うため、なるべくラクに、安く行ける方法を最初にガッツリ模索して、今のスタイルに落ち着きました。
逆に定期的に東京に出ることのメリットもあって、服などは東京で買うことがほとんどですし、その他甲府でできない買い物も東京に行ったついでに済ませることができます。見たい美術展があれば気軽に行けるし、東京の友人と会う約束をするにもあまり不自由を感じません。ただし、甲府駅から家までは車になるので、飲む場合は実家に泊まります。
新宿の雑踏で疲れ果て、ちょっと寒くて人もまばらな甲府駅前に降り立つと、あー、帰ってきたー!と癒やされます。この絶妙な距離感、イイ。
車の運転が好きなので、仕事が空いたときは気分転換にドライブへ。昼過ぎに出発しても、1時間も走れば富士五湖や八ヶ岳山麓に到着です。緑豊かな混雑とは無縁の道を気ままに走って、河口湖のほとりでボケーっとして、富士浅間神社なんかに立ち寄って、夜景を見ながら峠を越えて甲府盆地に帰ります。これで半日。東京に住んでいたら到底不可能な、最高のリフレッシュです。
徹夜明けには近所の温泉へ。今日はあの温泉に行く!をモチベーションに仕事を終わらせて、夜景を見ながらのんびり温泉に浸かれば、次の仕事へのエネルギーも充電完了。
こんな好き勝手やりたい放題できるのも、独身ならではかもしれない、とときどき思います。移住と聞くと、どうしても夫婦やファミリーが多い印象で、独身にはハードルが高そうなイメージもあります。でも、上手く楽しみを発見できれば、意外とそれ以上に充実できるのかもしれません。そんなやりたい放題山梨ライフ、まだまだ満喫し足りません!