憧れのツリーハウス@おだぎりガーデン 栃木県那須塩原
「将来おうちの庭には、
ツリーハウスを創りたい」
小さい頃から、
ずっと憧れていました。
好きな音楽かけて、好きなだけ本読んで、
好きなだけポテチ食べて、好きなだけ寝る。
俗世や人間界から離れ、
誰にも支配されないひとりっきりの時間。
そんな子供の頃、
絵本の世界の中
でしか知らなかったツリーハウス。
実際に一度、目でみて
楽しんでみたいなと
ふと思いたって、
先日のゴールデンウィーク
栃木県那須塩原にある
「Tree House Village」おだぎりガーデン
に遊びに行ってきました。
広大な那須高原の台地に
約20棟のツリーハウスが点在していて。
高さもいろいろ。
バルコニーもいろいろ。
デザインもいろいろ。
上がったり下がったり。
意味もなく、ぐるぐるぐるぐる。
疲れたらハンモックで爆睡。
そよ風がさらさら頬を撫でながら、
ハンモックをゆらゆら揺らし。
お腹がすいたら、
Village近くで食材を買い込み。
近くの道の駅(明治の森・黒磯)では、
アスパラガス・トマト・かぶ・ズッキーニ等々
色とりどりの旬なお野菜がたくさんあって。
そして
さすが牧場王国、那須!
自家製の乳製品や
ハム・ベーコン・チョリソー等々
肉製品もたくさん。
もちろんおいしいパン屋さんも発見。
NAOZOさん。
石窯で焼かれたバゲットは
パリパリのカリカリ。
そんな那須の大自然で育まれた
お野菜やお肉、パン。
串にざくざく刺して焼いたり、
スキレットでオリーブオイル
たっぷりに煮込んだり。
素材の味を楽しみながら、
山梨から持ってきたお気に入りのワインで
乾杯。
ワインは、
先日楽マスに呑ませていただいた
ダイアモンド酒造さんの
シャンテ・下岩崎甲州2015年。
こちらのワイン。
私が山梨に来てから呑んだ甲州ワインの中で
1番美味しいと断言できるくらい
めちゃくちゃ感激した特別なワイン。
甲州の苦みがなくて、
甘めの果実味が口の中に広がるとともに、
微発砲?のシュワシュワっとした感じが
そんな果実味をすっきりかき消していく爽快感。
きんきんに冷やして呑むと
爽快感が倍増で、
アウトドアにぴったりでした。
・・・・そして夜。
満天の星空を眺めながら、
うとうとしていた頃、
突然強風にあおられ
ツリーハウスがガタガタ。
恐怖の揺れを体験することに(笑)
そんな揺れの中で、
ふと思い出したのは仮面館のこと。
前日の夜、
宇都宮のとあるバーで出会ったお客さんに、
那須に行くと告げたら、
絶対行くといいよと教えてくれたのが
「仮面館」だった。
建物の内外にたくさんの仮面が
貼り付けられていておもしろい場所だと。
年中閉館だけど、ノックをすると
家主(創作者)が出てきて
中を見せてくれる。
そして、「1個仮面をください」と
言うと気軽にくれるよと。
調べてみるとVillageからも近く。
B級珍スポットに行くような軽い気持ちで
ふらっと立ち寄ったのですが。
茂みの中から覗く何万点もの仮面や
空き缶でつくられた兵士の人形たちが、
何とも不気味で。
作者の心の深い哀しみや
何かへの強い反骨心や激しい怒りを
いっぱい感じた気がして。
立っていられなくなり、
またこれ以上踏み込んでもいけない気がして
ノックも電話(入り口に電話番号が書いてあり)
もせず、その場を立ち去りました。
最近「アート」に
触れる機会も少なかったので、
こんなに自分の感情を重く深く
えぐってくるような体験は
久しぶりで。
作者は、
何故仮面をつくっているのだろう
仮面を通じて何を訴えたいんだろう
考えだすと止まらなくなり、
強風に揺られながら
眠れない夜を過ごすことになりました。
そして朝。
やぎの「メエェェ」という鳴き声と。
窓から差し込む木漏れ日
で目が覚め。
Village近くのホテル(フロラシオン那須)で
爽やかな早朝森林浴。
幼い頃思い出して、牛乳をたくさん呑んだ
朝ごはん。
どこを切り取っても絵になる
もはやトムソーヤが出てくるんじゃないか
と思えるような
美しいTree House Villageでした。
そしてこの広大なVillageを
たった一人で創り上げてしまったのが
おだぎりガーデンオーナーの
小田切さん。
何とご出身は甲府とのことで
不思議なご縁を感じました。
小田切さんは、
70歳にして那須へ移住。
友人から譲ってもらったという
古い電車を繋ぎ合わせて、
自分が住むための
住まいづくりからスタートし。
その後、
土地の広さが住居用だけでは勿体ないと想い、
キャンプ場経営を始め。
そして、73歳頃から
どこにも存在しないような
アウトドアの場所を作ろうと
一人でツリーハウスを創りはじめたとか。
最初は2〜3棟の予定だったのが、
楽しくなり現在では20棟近くの
ツリーハウスが敷地内に。
そして、
今もなおツリーハウスを
創り続けています。
設計図はまったく書かず、
空想の中で、大地に絵を描くような感覚で
木の中にツリーハウスが溶け込むように
創っているとか。
ツリーハウスを創り続ける小田切さんと
仮面を創り続ける仮面館の制作者。
私が那須で出会ったのは、
雄大な自然の中で、たった一人で
自分と向き合いながら
黙々と創り続ける人々の作品たち。
65歳で定年という概念もなく、
70歳・80歳明日死ぬというその日まで
永遠に作品を創り続けていくのだろう。
そんな自らの手だけで、
思うがまま考えたまま
何かを創り出せる
自立した業や生き方って
かっこいいなと感じました。
私が今までやってきたことは
いつだって「マネジメント」業だった。
対・会社、対・人と
調整や交渉を繰り返して、
毎日打ち合わせや電話で
しゃべくり倒して
一日が終わってく…
それはそれで、
皆で何かを創り出したとき、
達成感はあるし、
人と話すことが大好きな
自分の性格には向いている
と思っていたけど、
人間関係のストレスで
自分をすり減らしてきたことも事実。
ましてや情報も人も会社も集中する
東京にいれば、
マネジメントだけでずっと
仕事を続けられたかもしれない。
しかし、地方で生活することを選択した今、
「マネジメント」業は、
果たして必要とされているのだろうか。
それだけの業だけで、
ずっと長く生きていくことはできるのだろうか。
そんなことを考えているうちに、
一度はあきらめた建築の世界に
急に興味が沸いてきました。
建築学科だった大学生のあの頃、
同級生のつくる作品や発想のレベルが高くて
私には才能がないなと挫折を感じ、
不動産会社へ就職。
それでも
「青木さんに万が一何かあったとしても
食いぶちにだけは困らないよう
今のうちにいっぱい勉強しとけ!」
と上司に言われ、
寝る間も惜しんで勉強して
取得した1級建築士の資格。
7年にわたって不動産業界で経験してきたこと。
今ならもう少し違う形で建築という仕事に
向き合えるかもしれない。
全ての経験を無駄にしないためにも
もう一度建築の道を志そうかなと
考えるようになりました。
そんな働くことについて考える
きっかけをくださった
おだぎりガーデンの小田切さん。
お別れの時。
最後の言葉は、
「甲府全体によろしくね〜」でした(笑)。
もしご興味のある方いらっしゃったら、
ぜひぜひ遊びに行ってみてください。
甲府からは
中央自動車道と東北自動車道を使って
車で4時間弱。
途中宇都宮、益子、日光、大谷などなど、
栃木の魅力的な寄り道スポットも
いっぱい。
いつの間にか
大好きになってしまった栃木。
今日もまた心地よい
コーヒー(SHOZO COFFE)
の香りをかぎながら、
あの日のTree Houseの思い出に
浸ってます…