就農体験ホームステイ開催レポート「第三回②」

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就農体験ホームステイとは、就農を考えている移住希望者が、甲府市内の農家さん宅にお世話になり、農家さんと親睦を深め、地域の繋がりを作ることで、甲府の就農をより具体的にイメージしてもらう体験ツアー。

 

参加者とホームステイ前に会い、就農や移住に対する思いを聞き、その思いを事前に農家さんに伝え、その上でホームステイを開催しました。

 

以下は1泊2日の就農体験ホームステイで記録係が撮影した写真をベースに、それぞれ思いの違う3組を追いかけた就農体験ホームステイ開催レポートです。

 

 

就農体験ホームステイ 第三回「子どもの故郷を作りたい。②」

 

ホームステイ最終回は東京から参加した山上さん親子。

お母さんの季代さん、お子さんの琴子ちゃん、詞子ちゃんの3人で甲府にやってきました。

山上さんは「いつかは農業をしてみたい」と言う旦那さんの影響を受けて農業を考えるようになりました。

都市部の生活に感じる「人の繋がりの希薄さ」と、子供の将来を考えた時に、「東京を故郷に出来るのか?」という漠然とした疑問を持ったことで、「子どもが故郷だと思える土地に居を構えたい」と考えるようになったといいます。

 

山上さんを受け入れてくれたのは、親子3代で農業を営む農家の五味さん。

常に柔軟な考えを持つ善三お父さんと、大きな心で全てを受け入れてくれる真由美お母さん、地域の繋がりを大切にする息子の洋大さんに、家族を影でしっかり支える娘の遥さん、そして中学生にして農業を熟知するハイブリッドな孫のエマちゃん。

 

山上さん親子が五味さん家で過ごすことでどう変わっていくのか。

親、子ども、家族が向き合う1泊2日のホームステイレポートその②です。

 

 

ホームステイ2日目

 

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2日目は五味さんの家から20分のところにある、五味さんのお知り合いの方の田んぼで稲刈り作業を手伝います。

 

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先ずは稲刈りの手順を農家さんから教えてもらいました。

菅沼さんが活動する「農継者」の一環で農業体験にやってきた学生たちと一緒です。

 

山上さん親子と学生の間には第一回のホームステイに参加した市川さんの姿も見えます。

市川さんはホームステイ参加後も甲府で就農するため、度々甲府を訪れています。

 

 

一斉に稲を刈り、まとめた稲を重ねて干していきます。

大人も子どもも、それぞれが必要に応じて作業をしていきます。

 

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稲の干し方を山上さんに教える市川さん。

 

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「こんなに本格的な農作業は初めて」と笑顔いっぱいで作業する山上さん。

 

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琴子ちゃんは洋大さんと一緒に稲刈り機で手伝います。

刈り取った稲が一定量に達すると自動でまとめてくれる稲刈り機に興味津々。

 

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ひと段落したところで、お母さんが持ってきた果物などをみんなで食べて休憩。

この日はとても暑くなり、水と柿が一気に無くなりました。

 

後日、山上さんはこうお話されていました。

 

都会ではイベントに参加しても大勢の中で常に孤独を感じてしまう。

そして一つ一つの出来事が心に残らず通り過ぎてしまう。

 

でも、今回の稲刈りは、初めて会った人たちと気が付けば親戚の様に話し合い、子どもも分け隔てなく自由で、私たちも遠慮せずに自然と係わり合っている。

 

それが心地良くて、未だに鮮明に残っています。

 

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今回の稲は海外から甲府に移住してきたポールさんが甲府の農家さんから田んぼを借りて作りました。

山上さんもポールさんから稲刈り機の使い方を学んで稲刈りに初挑戦。

 

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この地で農業をする人たちは、国籍も越えて魅了されている人たちです。

 

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その頃、五味さんの家では、稲刈りをしているみんなのために娘の遥さんがお昼ご飯を作っていました。

 

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総勢14名の昼食を作ります。

採れたてトマトを使ったサラダなど、野菜中心のメニューがどんどん出来上がります。

 

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田んぼから帰ってきた学生もご飯づくりを手伝います。

料理を作ったことがないという学生も初めてのお手伝い。

賑やかにご飯が作られていきます。

 

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食卓に並ぶ野菜たっぷり、愛情たっぷりの料理。

エマちゃんがみんなのカレーをよそっています。

 

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「いただきます!」

学生たちは普段食べることが出来ない新鮮な野菜に驚きながらわいわいと、そして、あっという間にお昼ご飯は終わりました。

 

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午後の作業の開始です。

 

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子どもたちも大人と一緒に作業をします。

家族が一丸となって営んでいくのが農業です。

 

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作業に飽きた子供は蛙を見つけたりトンボを捕まえたり、田んぼを自由に走りまわっています。

 

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最後に皆で記念撮影をして第三回の就農体験ホームステイは終了しました。

 

五味さん家族や、農家で繋がるコミュニティを囲んで感じた山上さんは「いつか甲府に移住したい」とおっしゃっていました。

子供の成長に合わせて、少しずつ甲府へ移住の準備をしていくそうです。

 

山上さんは「上の子が甲府の住環境を受け入れられるか」心配していたのですが、お子さんは「五味さんの家の近くに住みたい!」と言っているそうで、その言葉は山上さんにとって驚きでもあり、喜びでもあるそうです。

 

農家になることだけが答えではなく、農業、そして農家さんたちと係わりながら生活することも、また、移住就農の在り方なのかもしれません。

 

甲府が山上さん親子の故郷になるように陰ながら応援しつつ、今回のホームステイレポートを終わります。

 

ありがとうございました。

 

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