甲府の魅力を発掘!
ビジネスマッチングイベント開催
LOCAL HACK in KOFUとは?
本イベントは、甲府市中心市街地の空き店舗を活用して、テレワーク環境とセキュア環境を有する小規模サテライトオフィスを集積化する「甲府テレワークヴィレッジ化構想」の基本計画を元に、総務省平成28年度予算「ふるさとテレワーク推進事業」の補助金により整備した拠点の利用者誘致を対象としたイベントです。
また、東京都内で最も企業数が多く、最もテレワークの導入率が低い、資本金3,000万円未満のICT企業を中心に、都市部の企業と甲府市内の企業のビジネスマッチングにより、都市部の企業と甲府市内の企業が協業して事業創出することで、都市部の企業の甲府進出を促進することを目的としております。
甲府市は、新宿から電車で90分、バスで120分と、東京との近接性に優れており、甲府市の中心市街地には山梨県庁や甲府市役所を始めとした各行政機関が集中しています。また、都市銀行や地方銀行などの金融機関も含めた多くの都市機能を有しており、医療や育児施設にも強く、市役所には多様な移住者に対応できるサポート体制が整っています。
甲府市中心市街地には都市部に比べて安くて借りやすい小規模の事務所が多数点在し、甲府市には教育機関も多数あるため、市内では学生たちが様々な活動を行っています。また、中心市街地から南下した旧中道地域では野菜の出荷率県内一位の農業地域として、学生や社会人を誘致して農業体験をしてもらうなど、他にはない地域の魅力を伝えて、東京を中心とした都市部からの交流人口を増やしています。
甲府市は、東京から近く、十分な都市機能を有し、若者の交流人口も増えて、学生の活動も活発なため、テレワークで「新しく何かを始めたい」企業の従業員やフリーランスの方が柔軟に働ける態勢が整っている地域です。
今回は、本イベントの受託企業である「株式会社ネクシード」と、「甲府テレワークヴィレッジ化構想」によって整備された拠点を利用して、本年度より本格的に甲府市に進出した「株式会社SAGOJO」に甲府市の企画した「LOCAL HACK in KOFU」の進行をお願いし、その様子を開催レポートとして、以下に掲載しました。
甲府テレワークヴィレッジ化構想を中心とした都市部と甲府市内の新旧企業がどの様なビジネスマッチングを行ったのか、ぜひ読んでみてください。
LOCAL HACK in KOFUイベント(説明会)開催レポート
こんにちは! 株式会社SAGOJOの新と申します。
私たちは東京都渋谷区に拠点を置くベンチャー企業。旅をしながら仕事ができる世界を実現するために、企業から依頼される「シゴト」と「旅人」をマッチングし、旅人が企業から「リターン(金銭や物品など)」をもらえるサービスを提供しています。
そんなSAGOJOでは、たくさんの素敵なご縁が重なり、現在甲府市にサテライトオフィスを構えています。
山梨県甲府市は、新宿から電車で90分、バスで120分と東京からのアクセスが抜群。気軽に足を運べる距離であることに加え、きれいな空気や癒される景色、そして新鮮で美味しい野菜などなど、生活はもちろん働くうえでも最高な環境がそろっています。
今回の記事では、SAGOJOが今年10月に甲府で実施したビジネスマッチングイベントの様子を、私たちのサテライトオフィス「TENJIKU甲府」の紹介と合わせてお届けしたいと思います。
##甲府の可能性を掘り起こせ! ビジネスマッチングイベント「LOCAL HACK in KOFU」
皆さんは地方への移住を考えたことはありますか? 今すぐに、というわけではなくても、将来的には都心を離れて暮らしたいと考える人は増えていると言われています。しかし、そのときに必ずと言っていいほど突き当たるのが、「地方には仕事が少ない」という問題。仕事が無ければ家すら借りることができませんよね。
私たちはその課題を解決するために、地域に仕事を生み出すためのイベントを開催しました。それが、甲府市の魅力を旅人目線で発掘するビジネスマッチングイベント「LOCAL HACK in KOFU」です。
旅人の目線から甲府市にいまだ眠っている観光財源「地域の宝」を掘り起こし、それを地元企業に提案することで甲府市の新たな事業創出へ繋ぎ、シゴトを生むことが狙いです。さらには、その役割を旅人が担うことで甲府市を訪れるきっかけをつくり、移住促進にも繋がればと考えています。
「LOCAL HACK in KOFU」は甲府市主催のもと、10月18〜19日の2日間にかけて実施されました。舞台は甲府市の全域。総務省の「ふるさとテレワーク推進事業」によって整備したサテライトオフィス「TENJIKU甲府」を拠点とし、地元農家さんまでも巻き込んだ盛りだくさんの内容です!
まずはLOCAL HACK in KOFUの前段となる、説明会の様子のレポートをお届けします。
##「LOCAL HACK in KOFU」説明会
旅人Bar feat.甲府市 〜地方でのシゴトを語ろう〜
「LOCAL HACK in KOFU」の説明会は、甲府市とSAGOJOのコラボ企画として、山梨や甲府市に興味がある方、地方のシゴトやサテライトオフィスに興味がある方を対象に開催されました。SAGOJOが「旅」をテーマに実施しているコミュニティイベント「旅人Bar」の特別編です。
場所は都内のコミュニティスペースをお借りし、19:00からオープン。平日開催だったため、仕事を終えた参加者から順にぽつぽつと増え始めました。
今回のイベントの目的は「LOCAL HACK in KOFU」のイベントを説明することですが、参加者に少しでも甲府に興味を持ってもらいたいとの想いから、SAGOJOのスタッフが参加者へ個別に説明、質問に答えていきました。
新宿から電車で90分、バスで120分という東京から甲府市までのアクセスの良さをアピールしつつ、サテライトオフィスの様子や、私たちのこれからの活動を紹介すると、甲府のイメージが湧いてきた参加者たちの興味も津々! なぜこのイベントにSAGOJOが関わっているのか、このイベントをおこなう意義は何なのか、私たちが考える甲府市のミッションとは。それぞれのスタッフが熱意を込めて語ることで、徐々に会場の空気も盛り上がっていきます。
説明会の中では、参加者からアドバイスをいただくこともありました。
「甲府市内での交通手段は何がベストだろう」
「当日雨が降ったらどうする?」
「こんな体験もできたら甲府市をもっと知ることができそう!」
開催前に参加者の視点からコメントをいただけたことはとても貴重でした。イベントを成功させたい気持ちがさらに高まり、また参加希望者の期待値を肌で感じ身の引き締まる思いでした。
実際に会って話をするスタイルで説明会を開催することで、イベントの開催趣旨・ストーリーを今まで以上に伝えることができ、参加者とスタッフの温度感を共有できたと思います。結果、その場でイベントの申し込みをしてくれた方、興味のありそうな知人へチラシを送ってくれた方、後日、友人を誘って申し込んでくれた方など、実際の参加に限らず次への良い繋がりも作ることができました。
当日は足元の悪いあいにくの天気でしたが、それにかかわらず延べ25人の方にお越しいただき、参加者の中には終電まで残っていた方もいるほど盛り上がったイベント説明会となりました。
ここからは、説明会後に応募者の中から厳正な審査によって選ばれた方々が参加した「LOCAL HACK in KOFU」当日の様子をお届けします。
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<イベント・タイムスケジュール>
■ 1日目
11:00 甲府市役所 集合
11:30 オリエンテーション。甲府市のマップを見ながら、各チームブレスト
13:00 市街地から中道エリアまでレンタサイクルで移動しながら魅力発掘!
17:30 中間発表&SAGOJOからレクチャー
18:00 温泉施設で入浴
19:00 夕食
20:00 農泊
■ 2日目
8:00 朝食
9:30 農業体験
12:00 レンタサイクルで市街地まで移動しながら魅力発掘
14:00 プレゼンテーション
16:00 終了
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##1日目:イベントスタート! 甲府駅に旅人が集合!
参加者は6名。定員の倍以上の応募の中から選ばれた、よりすぐりの旅人たちです。普段はライターやカメラマン、デザイナーといった仕事をしており、地域の魅力の掘り起こしから企画まで携わるのは初体験。そこで、SAGOJOの編集者1名と参加者2名でチームをつくり、編集者が「企画の作り方」をレクチャーしながら進めることに。
3チームそれぞれが甲府市内を巡りながら、魅力発掘・企画化・提案までを一貫して行う甲府ツアーの始まりです!
##まずは「TENJIKU」で甲府情報をインプット
TENJIKUと名付けたSAGOJOのサテライトオフィスは、甲府駅から徒歩10分ほどのオリオンイーストと呼ばれる通りにあります。オリオンイーストは甲府中心市街地の中でも若者が多くにぎやかなエリア。レンガ調の造りはレトロな雰囲気が魅力的で、ビストロやアクセサリ―ショップなどセンスの光るお店が並びます。冬にはロマンティックなイルミネーションも!
TENJIKU甲府は甲府市が空き店舗をリノベーションし、企業誘致のためにサテライトオフィスとしてつくった3部屋のうちの1部屋。大きい窓から差し込む光が気持ちよく、白を基調とした空間は仕事もはかどり社員たちにも人気です。
そんなTENJIKUに到着した旅人たちは、まず今回つくる企画の提案先となる地元企業の方から「地元目線」の甲府市について教えてもらいました。
甲府市は南北に長く、その中央に甲府市中心市街地があります。中心から北に向かえば武田信玄公が居を構えた武田神社や国の特別名勝の昇仙峡、温泉旅館など観光財源が多くあるのですが、中心から南側については目立った観光地がなく、農地がほとんど。そのため甲府市の南側は魅力がいまいち発掘できていない状況とのこと。もったいない……!
甲府市の観光は団体で名所をまわる「従来型観光」と呼ばれるものが多く、個人で好きな観光地を巡る「着地型観光」はあまりなじみがありません。よって、今回は中心部から南側に焦点を当て、地元のディープな甲府市を体験できる「着地型観光」をキーワードとして企画をつくることになりました。
スタートはTENJIKU。ここからレンタサイクルを使って、ゴールである甲府市の最南端地域、中央高速自動車道の甲府南ICがある甲府市旧中道地域で農業を営む新規就農者の菅沼さんの家を目指します。
甲府市のレクチャーをうけた旅人は早速チームごとに分かれ、市内を巡るルートを検討。チーム編成は以下の通りです。
TENJIKUから菅沼さんの家まではおよそ8km。歩いても行ける距離ですが、今回は甲府市が運営しているレンタサイクルを使用します。甲府市内は平坦な道が多く自転車でまわりやすいため、車では行けない狭い道などに眠った「地域の宝」を発掘するには自転車旅がピッタリなのです!
レンタサイクルは電動アシスト付きで、中心市街地の指定されたホテルで借りることができます。今回はアーバンヴィラ古名屋ホテルさんと東横INNさんにお借りしました。
甲府市レンタサイクル(https://www.city.kofu.yamanashi.jp/kanko/shisetsu/rentacycle25-1.html)
時間:AM9:00~PM17:00 料金:電動アシスト自転車 1回/500円 子ども用普通自転車 1回/300円 場所:甲府市内にある7カ所の指定ホテル 備考:今回は特別に1泊二日で貸し出しをしていただきました。 |
##レンタサイクルで、いざ甲府の町へ!!
自転車を借り、いよいよ旅が始まります!
この日は天気も良かったため、サイクリングにはばっちりの気候。
随時旅人たちから送られてくる写真はどれもとても楽しそうで、運営として控えていたSAGOJOスタッフも参加者として参戦したくなってしまいました……みんないい顔だなあ。
楽しく甲府市内を巡り取材を終えた旅人たちは、甲府市旧中道地域の菅沼さんの家に集合。それぞれのチームの中間発表がはじまりました!
約3時間の旅とは思えないほど充実した内容の中間発表。甲府の可能性を感じさせる各チームからの報告に、全員のテンションが上がります。
発表後には、SAGOJOからそれぞれのチームへ “もっと良い企画にするため” のレクチャーをおこないました。
「企画にエッジを効かせるために、焦点をもっと絞った方がおもしろいかも」
「フォトジェニックな写真を撮るためのワンポイントアドバイスがあったら良いのでは?」
などなど、ふだんSAGOJOがクライアントへ企画提案をするときに心がけているポイントを共有。2日目に向けてブラッシュアップの参考にしてもらいました。
##プロの料理と農家民泊体験
今回、場所を提供してくれた農家・菅沼さんの家には、農業に興味のある学生や新しく農業を始めたい社会人、そして甲府市に興味があり力になりたいと思っている方々など、さまざまな人が訪ねてきます。
もちろん、私たちSAGOJOもそのうちのひとり。この家屋はもともとかなり古い民家だったのですが、より多くの人が集まれるようにとリノベーションを行いました。リノベーション初期からSAGOJOも協力させていただき、何度か菅沼さん宅へ足を運ぶうちに甲府という土地を知れただけでなく、現地の方との出会いのきっかけにもなり、SAGOJOにとって思い入れのある場所です。(余談ですが私たちのリノベーションスキルもかなり上がりました!笑)
今回は甲府市の南に焦点を当てて魅力を発掘するツアーです。南部には農地が多いため、農家さんのお宅に宿泊させていただく農家民泊をおこなうことで、農業という切り口からも甲府市を考えていきます。
そんな菅沼さんの家でいただくこの日のディナーは「食べて味わう甲府」。使われている野菜は全て甲府産で、菅沼さんの畑で採れたものです。
サラダには甲府産のブドウも入っており、その甘酸っぱさになんだか心がキュンとしました。
新鮮な採れたて野菜を使った美味しい食事に、旅人からも思わず笑みがこぼれます。「野菜って、こんなに味が濃いんだ!」などと、東京では決して得られない味わいに舌鼓を打ちました。やっぱり食事は、人と人のコミュニケーションをつくって温かい空間が生まれるなあと実感……!
夕食後は各チームが分かれて農家さんの家に宿泊。盛大な歓迎を受け、晩酌タイムがはじまったようです。
初めて会ったはずなのに、そんな気がしない居心地の良さ。すぐに打ち解けられるのはお酒の力ではなくて、甲府の人の懐の深さなのかもしれません。
1日の終わりにお腹も心も満たされた参加者たちでした。
##2日目:朝のはじまりはオーストラリア風朝食とともに
穏やかな日差しとともに2日目が始まります。
甲府の朝はひんやりと澄んでいて、空気を胸いっぱいに吸い込むとパッチリ目が覚めました。この気持ちのいい空気の中にいられるのも甲府の醍醐味ですね!
そして朝食はオーストラリアスタイル。
甲府でオーストラリアの朝食が食べられるなんて! と、参加者はいろいろな角度から写真を撮りまくっていました。
ポーチドエッグになった卵は、なんと菅沼さんがお庭で飼っている鶏が生んだもの。あたたかい食事に1日の元気をもらいます。
農家民泊では田舎の家庭料理が出てくるイメージを持つ方が多いと思いますが、今回の食事ではあえてプロのシェフを招き、家庭料理ではない、本格的な料理を提供しました。今回シェフを務めてくれたのは、オーストラリアで活躍するG‘DAY CROP & LIFE SAVERS(GC&LS)のお二人です。
オーストラリアのシドニーにある「DEUS EX MACHINA」にて副料理長を務めた水落哲男と、同じくシドニーの有名店「Edition Coffee Roasters」にてバリスタを務めた水落華子の2人によるクリエイティブユニット。2018年からは活動を日本へ移し、店舗を持たず日本各地の食材を使ってオージーテイストの料理とオーストラリアスタイルのコーヒーを提供する。近年は接客のプロフェッショナルとして、全てのカスタムに応えるオーストラリアスタイルのバリスタ育成に注力している。
食後はGC&LSのバリスタが淹れた美味しいコーヒーを飲みながら、農家の菅沼さんから甲府市の農業について教えてもらいました。ゆったりと流れる穏やかな時間と菅沼さんの語り部に全員が真剣な眼差しで菅沼さんの話に聞き入っています。
菅沼さんが作っている野菜はトウモロコシやスモモ、ナスやリーフ類など数十種類。様々な野菜を少しずつ育てている少量多品目を実践している農家さんです。
甲府盆地は山に囲まれ自然災害が少なく、また南アルプスをはじめとした周りの山々からは良質な水が流れている農業のしやすい土地。この地で何年、何十年と育ててきた豊かな畑を大事に守ってきた農家の方がたくさんいます。その証拠に、甲府市は県内でも野菜の出荷量がトップクラス。ただし、どんなに自分の畑を大事にしても、担い手がいなければ大切な土地は失われていってしまうという問題も……。
菅沼さんが甲府市に移住したきっかけは、4年前の雪害。
甚大な被害を受けた甲府市旧中道地域へ災害ボランティアとして訪れ、活動を通して深刻な「担い手不足」という現状を知り、解決したいという思いで東京から甲府へ新規就農者として移住してきました。
自分の畑を失いたい農家なんていない。でも、担い手がいないから今まで大切に作り上げてきた畑の維持を諦めなければいけない。
そんな甲府の今を少しずつ変えていきたいと行動する菅沼さん。「農家には担い手が足りない」「地域には仕事が足りない」、この2つを解決することでよりよいマッチングが生まれるのではないかという思いのもと、SAGOJOは今回のツアーに農家民泊を組み込みました。
都会で生活する限り、知ることのできない地域の現実。知らない限りは存在しないのと同じです。私たちは、一人でも多くの人が地域の課題を知るきっかけを作ることで、現地の担い手となり、課題解決できる旅人を増やしていきたいと考えています。
##実際に体験してみよう! ナスの収穫
菅沼さんのお話を聞いた後は、菅沼さんの畑に移動。農業体験「ナスの収穫」が始まります!
食べごろの大きさをチェックしながらハサミで収穫。中には今まで見たことのないほど大きなナスがあったり、鼻がついたかわいい「テングナス」を見つけたり、参加者たちは大興奮!
夢中でナスを採りまくる参加者たち。楽しそうな声が畑から聞こえてきます。
前日の夕食のサラダに使われていたルッコラの畑も見せていただきました。畑に近づいただけでルッコラ特有のゴマの香りが一面に広がり、思わず採れたてのルッコラをぱくり! 味の濃さに感動し、野菜の生きる力を感じました。
収穫したナスのうち、規格外のものは「みんなのお土産に」と菅沼さんからプレゼント。なんと私たち運営スタッフにもいただいてしまいました!
農家民泊終わりの思わぬサプライズ、帰ってからも美味しくいただきました。
ありがとう、菅沼さん!
##魅力発掘・企画提案づくりへ、再び出発!
農業体験後は、SAGOJOからのレクチャーをもとに企画の肉付けをし、追加取材のためにそれぞれの目的地へ。もっと地域の宝を掘り起こすために旅路を急ぎます。
そして、いよいよツアーも終盤。初日に甲府の魅力を説明してもらった地元企業の方へ、2日間の成果となる企画案を発表します。
場所は、再び中心市街地にあるTENJIKU甲府にて。
最初のチームは、酒店や直売所、スーパーなどの甲府市民がよく使うようなスポットを巡り、当初から気になっていたというお酒、そしてお酒に合う地元野菜を使用した惣菜などを探しました。
もともと「山梨県といえばワイン」の印象が強かったとのことですが、お店に行ってみると山梨県内にはウィスキーや日本酒の蔵が多くあることがわかり、甲府市はワイン好きのみならず「お酒好きな大人」にはたまらない街ということが判明! ガイドブックやインターネットではわからない、実際に足を運ぶことでしか知ることのできない地域の宝を発掘しました。
最終的には、沢登りなどのアクティビティを通じて源流で汲んだ水を持ち帰り、山梨の名酒「白州」を家族や友人と割って飲む「白州の源流ツアー」を提案しました。
2番目のチームは、甲府市ならではの自然と地域のグルメを結びつけ、楽しく写真撮影しながらいただく「ピクニックツアー」を提案しました。かわいい外観のパン屋さんやたまご村で貰ったゆでたまごをテイクアウトし、古墳のある公園「山梨曽根岡陵公園」で縄文人になりきって食べるともっと美味しい、という提案です。
特にゆでたまごやシフォンケーキを食べられるたまご村を猛プッシュしていたこのチーム。甲府市の担当者からは「自分も知っているところだけど、まさかあの場所がそんなに面白いと思われるなんて!」と驚かれ、まさに旅人ならではの地域の宝の提案となりました。
最後は、唯一の女子オンリーチーム。甲府市の食べ物に焦点を合わせ、ベジタリアン・ビーガン向けのお店を巡る「野菜×フルーツツアー」を提案。宗教上の理由や健康志向の観点からヘルシーなものを好む外国人や女性が増えており、そんな方が甲府市へ観光に訪れた際により楽しんでもらえるようにと発想。女性ならではの着眼点ですね!
取材の中では「甲府市発のベジタリアン・ビーガンムーブメントを起こしたい」と考えるお店の方との出会いもあり、旅人と地域の方の想いがマッチングするという予想以上に実現性の高いツアーに仕上げることができました。
各チームの発表を終え、「私の知らない甲府を知れた!」と興奮気味に話す地元企業の方。特に女子チームの「野菜×フルーツツアー」に対しては、実際に地元でベジタリアン向けのプロモーションを検討していたらしくビックリしていました。
企画提案のあとはそれぞれ旅の思い出を話し合って盛り上がり、6名の旅人と甲府市のつながりが深くなった1泊2日のツアーが終わりました。
##「LOCAL HACK in KOFU」を終えて
こうして無事に「LOCAL HACK in KOFU」が終了。
SAGOJOが甲府市に進出して初めてのイベントだったにもかかわらず、今まで注目されることのなかった「地域の宝」をたくさん掘り起こすことができました。また、それを企画提案することで単なる旅の思い出で終わらせず、旅人の仕事創出という次のステップへ繋げることもできたのではと思います。
イベント中、私たちが地域の人に「甲府はいいところですね」と声をかけると、多くの人が「甲府なんて何もないよ」と返しました。何もないなんて、とんでもない! 魅力がこんなにいっぱいあるのに……! とどれほど思ったことか。
旅人が足をとめてカメラで切り取った風景は、地域の人にとっては気付きづらい、いつもの生活の一部。でもそれが、外から見たときには目を奪う魅力的な景色だったりするのです。そしてそれは、これから訪れる旅人の数だけ、この街の魅力となって掘り起こされていくのだと思います。
SAGOJOとしては、今後もサテライトオフィス「TENJIKU甲府」を拠点として、旅人と地元企業のビジネスマッチングによって新しい事業の芽を創出していきたいと考えています。
これからも甲府市に拠点を構えるSAGOJOの活動を応援していただけたら幸いです。