就農体験ホームステイ開催レポート「第三回①」
就農体験ホームステイとは、就農を考えている移住希望者が、甲府市内の農家さん宅にお世話になり、農家さんと親睦を深め、地域の繋がりを作ることで、甲府の就農をより具体的にイメージしてもらう体験ツアー。
参加者とホームステイ前に会い、就農や移住に対する思いを聞き、その思いを事前に農家さんに伝え、その上でホームステイを開催しました。
以下は1泊2日の就農体験ホームステイで記録係が撮影した写真をベースに、それぞれ思いの違う3組を追いかけた就農体験ホームステイ開催レポートです。
就農体験ホームステイ 第三回「子どもの故郷を作りたい。①」
ホームステイ最終回は東京から参加した山上さん親子。
お母さんの季代さん、お子さんの琴子ちゃん、詞子ちゃんの3人で甲府にやってきました。
山上さんは「いつかは農業をしてみたい」と言う旦那さんの影響を受けて農業を考えるようになりました。
都市部の生活に感じる「人の繋がりの希薄さ」と、子供の将来を考えた時に、「東京を故郷に出来るのか?」という漠然とした疑問を持ったことで、「子どもが故郷だと思える土地に居を構えたい」と考えるようになったといいます。
山上さんを受け入れてくれたのは、親子3代で農業を営む農家の五味さん。
常に柔軟な考えを持つ善三お父さんと、大きな心で全てを受け入れてくれる真弓お母さん、地域の繋がりを大切にする息子の洋大さんに、家族を影でしっかり支える娘の遥さん、そして中学生にして農業を熟知するハイブリッドな孫のエマちゃん。
山上さん親子が五味さんの家で過ごし、どう変わっていくのか。
親、子ども、家族が向き合う1泊2日のホームステイレポートその①です。
ホームステイ1日目
日も暮れかけ始めた15時過ぎに山上さん親子は五味さんの家に到着しました。
縁側の緩やかな空気の中で果物とコーヒーを頂きながら先ずは自己紹介を行います。
自己紹介を終えた後、エマちゃんが裏の畑を案内してくれました。
山上さん親子は初めて見る「シカクマメ」など、畑の野菜に大興奮。
すっかり仲良くなった子ども3人は家の中のハンモックで遊びます。
特に琴子ちゃんはエマちゃんというお姉ちゃんが出来てとても嬉しそう。
今日会ったばかりには思えないほど!
山上さん親子が五味さんの家に馴染んでいきます。
同じ頃、台所では夕飯の支度で賑わいます。
総勢10人分の食事が台所一面に拡がっています。
食事の多くは五味さんの家で獲れた野菜です。
色々な野菜の色々な料理がどんどん出来上がっていきます。
山上さん親子も料理のお手伝い。
子どもたちも頑張って料理を運びます。
長いテーブルに並ぶ美味しそうな料理たち。
中央にいる青年は、善三さんの親友の息子さんで、定期的に五味さんの家に訪れているそうです。
部屋の中にいくつかの写真が飾られています。
この写真はエマちゃんが小さい時に五味さんの家で過ごしたカメラマンが撮影したそうです。
五味さんの家には常に誰かが出入りしています。
食事も全部揃った所で、みんな一緒に「いただきます!」
テーブルの両端に座る善三さんと洋大さんの漫才のような会話にみんなで大笑い。
会話の絶えないとても楽しい夕食でした。
ホームステイ2日目
澄んだ空気が満ちた静寂の中で鶏の鳴き声だけが響きます。
甲府の朝は気持ち良いです。
五味さんの家は朝食を摂らないため、起きてきた山上親子は台所で食事。
甲府で作ったパンとジャムに親子の会話も弾みます。
昨日遊び疲れて眠り続ける詞子ちゃん。
ぐっすり眠っています。
今日は知り合いの稲刈りをお手伝い。
多くの農家は朝早くから作業をして、大体10時くらいに休憩をとるそうです。
真弓お母さんはみんなのために軽食を用意します。
カットした果物や蒸かした芋など、甲府の「美味しいモノ」が大きな容器に詰められていきます。
「移住しなくても来たい時に来ればいい。来てお腹いっぱい食べて帰ればいいのよ」と真弓お母さんは言います。
五味さんの家で甲府の暮らしと、農家の暮らし、その2つを体験した親子がどう変わっていくのか――
次回は、地元、学生、社会人が集まって行う稲刈りに続く「子どもの故郷を作りたい②」です。